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執筆者の写真桑原由樹

そもそもインフレーションとは?また日銀とインフレの関係とは?

更新日:2022年10月14日

みなさんこんばんは。

10月に入っても季節外れの暑い日が続いていましたが、やっと涼しくなってきました。

コロナ感染もだいぶ下火になってきたようですが、寒暖差で体調を崩しやすい時期だと思います。体調には十分気をつけてください。


さて、前回アベノミクスの第一の矢、異次元緩和により日銀が大量に国債を保有しているという話をしました。

政府予算を国債に頼るということは、今後も日銀の国債保有量が増加していくということに他なりません。

それでは、日銀が国債を大量に保有することは何が問題となるのでしょうか?


日銀が国債を大量に保有することの問題点、それは「利上げ」がしづらくなることです。


本来、中央銀行は国債を大量に保有していません。下図のように、日銀が国債を大量に保有しだしたのは21世紀初頭の金融緩和からです。



とくに日銀は2013年から、異次元緩和で市中から大量に国債を購入し始めました。それにより世の中にお金を行き渡らせて、インフレ期待を高めようとしたのです。しかし、その代金のうちかなりの額が、各金融機関が日銀に持つ口座(当座預金)に預けられたままとなっています。



え、どういうこと?と思う方もいるでしょう。


まず、インフレーションというのは、簡単に言うと物の値段が上がることです。物の値段が上がる理由はいくつかありますが、その一つに、お金の価値が低くなった結果物の値段が高くなるというメカニズムがあります。


例えば、江戸時代に幕府は金貨や銀貨を作って流通させていました。財政難になった幕府は、貨幣に含まれている金や銀の量を減らして、その分多く貨幣を作って差額で儲けようとしました。しかし、庶民はその貨幣の価値をきちんと見極め、貨幣の価値が低くなった分、同じものを買うのに必要な貨幣の量が増える結果となったのです。これも、インフレの理由の一つです。 


天保小判


例えば、今まで米3俵で金貨一両だったのが、貨幣改鋳により金貨に含まれる金の量が減ってしまったので、米3俵買うのに金貨三両が必要となってしまった。これは米の値段が上がっているのでインフレです。(幕府は一両の中の金の量を減らしてるので、全体としてたくさんの貨幣を鋳造でき、世の中に出回ってるお金の全体量は増えています。)



日銀は異次元緩和で、世の中に出回るお金の全体量を増やそうとしました。民間の銀行が持っている国債を買い上げ、その代金を民間銀行に渡す。そして銀行が余ったお金を個人や企業に貸し出し、世の中に出回るお金の全体量を増やし、インフレを作り出そうとしたのです。



江戸時代は、金貨に含まれる金の量を減らし、その分多く鋳造(=世の中に多くの貨幣が出回る)することで結果としてインフレとなりました。

現代のお金はそれ自体に貴金属のような価値はありません。つまり、世の中に出回る量が増えればその分価値が下がり(希薄化し)、インフレを生み出すことができると政府や日銀は考えました。日銀は黒田総裁の就任時、2%のインフレ目標を掲げ大規模な異次元緩和を開始したのです。


では日銀が国債を大量に購入した結果どうなったか?を次回ご説明しようと思います。

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